So-net無料ブログ作成
検索選択

『ブラウン神父の無心』 G・K・チェスタトン

最近、新作ミステリーを読んでもあまり面白く感じられないので、
(新作が悪いということではなく、私のスランプ。)
古典を読んでみました。

ブラウン神父の無心 (ちくま文庫)

ブラウン神父の無心 (ちくま文庫)

  • 作者: G.K. チェスタトン
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2012/12
  • メディア: 文庫


ちくま文庫版の新訳です。
海外の小説については、新訳されたとき、再読の良いきっかけになります。

長らく、創元推理文庫の『ブラウン神父の童心』がスタンダードでしたが、最近、ハヤカワ文庫でも新訳版が出ました。そちらは『ブラウン神父の無垢なる事件簿』。

後書きによれば、“innocence”をどう訳すかが難しいそうです。
確かに「童心」というのはなんだかピンときません。
素人ながら、「無心」がもっともフィットしているように思えます。

さて、何年ぶりの再読か分からないほど、大昔に読んだきりです。
「透明人間」や「神の鉄槌」などは、メイントリックが有名なので、それだけしか記憶が無く、話自体はほぼ初読のように楽しめました。

古典と認識しつつも好きな作品の部類には入っていませんでしたが、今回の再読でこの作品の偉大さが分かりました。改めて新訳の企画に感謝です。

第一の事件「青い十字架」は、いま読むと、どこか日常の謎ミステリーに通ずるところ
(レストランの塩入れと砂糖入れの中身が入れ替えられていたのはナゼ?)
があり、ここにも、チェスタトンの先駆性を感じます。
(ブラウン神父シリーズの先駆性について語れば、そのほぼすべてのパーツが先駆的だ、ということになってしまうのかもしれませんが)

どの話も、幻想小説というか、非現実的な空気をはらんでいて、その空間でようやく成立するような危うさのあるトリックが魅力です。すばらしい筆力。
とくに「透明人間」のムードは秀逸。

ちくま文庫からは第2短編集『ブラウン神父の知恵』も出ているので、読んでみたいと思います。
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0