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『月と太陽の盤~碁盤師・吉井利仙の事件簿』 宮内悠介

新規開拓企画ということで、新しい作家に手を出してみました。

月と太陽の盤 碁盤師・吉井利仙の事件簿

月と太陽の盤 碁盤師・吉井利仙の事件簿

  • 作者: 宮内 悠介
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2016/11/17
  • メディア: 単行本


宮内悠介は、2012年に『盤上の夜』で第33回日本SF大賞を受賞した作家。
ジャンルとしてはSFの人。
「初めての本格ミステリ」というふれこみだったので、読んでみました。
副題にもあるとおり、碁盤師(囲碁の盤を製作する職人)である吉井利仙という人物が探偵を務める連作短編集。ワトソン役は、新進気鋭の若手棋士、男(16歳)と女(18歳)のふたり。

6つの作品が入っていて、注目は表題作にもなっている「月と太陽の盤」。
これは他の短編の倍以上の分量があり、中編といっていいボリューム。
なんと冒頭には登場人物表が。
犯行現場のビルの詳細な図面まで挿入されています。

事件は込み入った複雑なもので、16歳の少年棋士が丁寧に紐解きます。この中編だけは、ワトソン役の彼が探偵を務める。
オーソドックスなミステリーで、いわゆる端正な本格といってもいいでしょう。
囲碁に関する知識は(読者としては)必要ありません。

この中編より前に3つの短編が収録され、小粒ながらひねりのある謎解きを見せてくれます。
中編のあとには2つの短編が続きますが、これらはミステリーというより、ちょっとした小話で、ボーナストラックといったかんじ。

全体として面白く読みました。
あくまでミステリー寄りの意見としては、中編「月と太陽の盤」を加筆して長編に仕立てたほうがもっと楽しめたかな、とも思います。

私事ですが、昔、囲碁を始めようと思って勉強したことがあり、いまでもルールは分かります。
何事にも熱しやすく冷めやすいタイプで、すぐ飽きたのですが、推理作家の竹本健治いわく、
「将棋やチェスと違って、囲碁は年をとっても棋力が落ちにくい」
のだそうで。
ちゃんと続けておけばよかったかな、と少し後悔しました。

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