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『交渉人・籠城』 五十嵐貴久

【円卓の騎士さんからいただきました。ありがとうございます。】

映像化もされた『交渉人』シリーズの第三弾(だったと思う)。私は二作目までは読んでいて、面白いと思ったものですから、今時ですが読んでみました。そして……途中放棄。

交渉人・籠城 (幻冬舎文庫)

交渉人・籠城 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 五十嵐 貴久
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2013/10/10
  • メディア: 文庫


私は籠城をしたこともなければ警察側の交渉役をやったこともないので、まったくの素人ですから、素人の勘違いということはあるでしょう。知識が足りないせいで誤解しているのかもしれませんが、しかしどうにも腑に落ちなかった。

まず私が違和感を覚えたのが、交渉人が立てこもり犯に電話で話をしている時に、しきりと「私はあなたの味方です」と繰り返す点です。本当にそういうことを言うのかもしれませんが、もし私が立てこもり犯だったら、そう言われた途端に相手を信用しなくなると思う。私を欺こうとしているのだと思うと思います。だって、たとえ私が根は善人だとしても、銃を持って立て籠っている以上は立派な犯罪者である訳で、それを認識できないはずがないし、どれほど善人であれ警察官がですよ、その私の味方になってくれるなんて考える馬鹿がいますかね。

その前にいわゆる「いい警官と悪い警官」の小芝居を見せつけられていたというなら話は多少違うのかもしれませんが、そういう風情もないし。「味方です」なんて言われて、はいそうですか、なんて思う犯人はこの地球上に何人いるのか。

いや、こういう風に言うものなのかもしれない。素人の悲しさ、その辺りはわかりませんが、それだけではない。立てこもり犯は交渉人に、テレビカメラを前に出せと要求します。何やら言いたいことがあるらしいと誰もが思う。ひょっとすると以前にその犯人の可愛い子供が未成年に殺され、その未成年がこないださっさと少年院から出てきてしまったことと関係がありそうだなという気がしてくるところです。そこで交渉人は「銃を持っているので危険だからテレビは近寄れない。そうして欲しかったら銃を寄越せ。そうすれば要求を飲む」と言うんです。それで犯人は、うーん、なんて言っている。

私の読み込みが足りないのかもしれません。しかし、あのですね、それまでの描写を読む限り、この犯人が人質をとって立てこもっていられるのは一丁の銃を持っているからで、それ以外には考えられません。二丁もないんです。そこで銃を警察に引き渡してしまったら、警察は要求など飲まずにすぐに逮捕ということになるとしか思えません(もし警察がそうしなかったら、私は明日から税金を払うのを拒否する)。しかし犯人は、考えさせてくれ、なんて抜かしている。この人の頭はどうなっているのか。いやそもそも頭がついているのか疑問になってきます(頭がついているかどうかは描写がなかった)。幾ら何でもおかしいと思って前に遡って、何か建物に仕掛けでもあると書いてあるのか調べましたが、見つからなかったです(あったら御免)。

どういうことなんでしょうか。考えられない犯人に考えられない警察。まるで筒井康隆的世界だ(いや筒井はこんなこと書かないか)。とてもこの世で起きている出来事には思えないんです。これはどうにもならん、と思って、放棄いたしました。私が間違っていたら本当に申し訳ない。


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編集責任者

「交渉人」シリーズは、3作とも読んでおります。
1stが一番良かったかな。
2ndの「爆弾魔」はドラマ化もされました。
3rd「籠城」は読書帳によると2010年に読んでおります。
が、どんな話だったか思い出せません……
五十嵐貴久は『誘拐』も面白かったです。
by 編集責任者 (2016-07-09 20:24) 

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