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ミステリ読みにとっての電子書籍 その2

2010年12月にソニーから電子書籍専用端末「リーダー」が発売されてから、2年半が経とうとしています。
私は、そのときから「リーダー」を使っております。数えてみたら、コミックや著作権の切れた無料のコンテンツを除くと、ちょうど60冊の本を電子で購入していました。

はじめは本を収納するスペースの節約が主な目的でした。
60冊というと、全部文庫本だと仮定してだいたい本棚の2段分。当初の目的は達成されております。

ところが使ってみると、なかなか読みやすいことが分かりました。
活字本によっては、文字が小さすぎたり大きすぎたりと自分の好みに合わないことや、また古本だとかすれてたりすることがあって、ストレスを感じることがありますが、電子書籍では安定しており、あまり負担はありません。
また、ハードカバー本の場合は、圧倒的に電子書籍端末のほうが軽く、電車の中でも苦になりません。持ち運びも当然楽で、旅行の時には必須です。

私にとっては極めてメリットのほうが大きく、もう愛蔵版以外の小説はすべて電子書籍でもいいくらいに感じています。

しかし、そこに立ちはだかるのが、「品揃えの不足」というずっと言われ続けている問題です。

電子書籍化にはコストがかかります。
紙に印字された文字を読み取って自動的に電子データに変換する機械はありますが、アルファベットしか使わない英語とは異なり、漢字、ひらがな、カタカナが入り交じる日本語の小説は、必ず人間による校正が必要とのこと。出版社では電子書籍担当部門を立ち上げて、人数をかけて電子化しているそうです。

となると、売れない小説、例えば絶版になっている愛好家しか喜ばない小説などは、コストをかけて電子化しても、ペイできない、事業としてなり立たない可能性があるわけです。
まだまだ日本の電子書籍市場は小さく、しかもメインはコミックやライトノベルですから、例えば先日亡くなった佐野洋の『銅婚式』を電子書籍にしてもはたしてどれだけ売れるのか。

では、新刊なら電子データもあるしコストがかからないのでは、と思いますが、そう簡単ではないようで。
電子書籍のデータは単なるテキストファイルではもちろんなく、目次の設定や文字サイズの変更に対応したレイアウト設定など、いろいろと加工が必要です。

また単にコストの問題だけではなく、出版社・取り次ぎ・書店が再販制度に守られた紙の本の流通システムを守りたいという大人の事情もあるようです。

しかし、紙の本の市場は縮小する一方で、電子書籍が新しいユーザーを開拓していることもまた事実。
関係業界がいかに本気になって、攻めの展開をするかにかかっています。
こういうのは外圧がないとなかなか変化できないものですが、アマゾンの「キンドル」上陸のショックがたいしたことなかったためか(アマゾンは日本の流通システムの範囲で穏当に事業展開)、最近は、どうも小説、特にミステリ系の小説は電子書籍化のペースが鈍化しているようです。

ユーザーとしては、期待して待つしかなく、もどかしい日々を過ごしております。
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コメント 2

円卓の騎士

古いのはやめればいいんじゃないか。

読んでてそう思いました。古いのなんか電子書籍化しなければ
いい。新しいのだけでいいんじゃないですか? 古いのは紙で
読めばいいんであって。ねえ?

何もどちらかに統一する必要はなく、どっちもあればいいと思う。
俺は古いのが好きなんだ派の人は紙で読んでればいいし、
カビ臭いのなんか大嫌い派は、電子で読んでいればいいのだ。

そもそも私の印象ですと、雑誌なんか全部電子でいいと思う
のよね。保存の価値のあるものなんか、そうそうない。前も言った
けど、新書の大半もそうだと思う。
by 円卓の騎士 (2013-04-29 16:32) 

編集責任者

絶版の古書は、今後も古本屋さんの領域として残るでしょう。
絶版小説の電子化はこのところ、さっぱりになってます。
新刊の電子化に集中してがんばっているようには見えないけど。

雑誌こそ、電子版に利点がありますね。検索がかけられるし、写真や図版とか拡大できる。それに、ゴミ捨ての手間がないし。

新書はそのとおりで、どの新書も同じくらいの厚さなのは、内容が薄い場合でも一定の厚さにするために、多少原稿を水増ししているそうで。わざと説明をくどくどとしたり。
電子なら、新書版特有の厚さにこだわる必要はありません。
by 編集責任者 (2013-04-29 17:16) 

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